犬神家の一族の舞台を訊ねてみる
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湖からにょっきりと飛び出た両足。衝撃的でしたね。
若い人にはわからないかな。
横溝正史原作「犬神家の一族」の映画のワンシーンです。
冷たく恐ろしいスケキヨのマスクも目に焼き付いています。
横溝シリーズは世代によって意見がわかれますが、私にとっての金田一耕助は石坂浩二さん、監督は市川昆さんです。
おどろおどろしくて、ノスタルジックで、ユーモアもあって、時にせつない。
ゴールデンコンビの初作品でもある「犬神家の一族」の舞台となった旅館が今も営業を続けていると知って、訪ねてみました。
井出野屋旅館さんです。
車を持たない我が家は当然電車で行くわけですが、たまたま佐久にある亭主の実家に用があったので車で送ってもらいました。
昭和にタイムスリップしたような雰囲気の館内にはたくさんの映画やドラマの写真が飾られています。
ここにいるだけで、古いフィルムの中に入り込んだような気分になれます。本当です。
襖の向こうから、石坂浩二さん扮する金田一が頭を掻く音すら聞こえてきそう。
実際、部屋の仕切りは襖なので、隣や向かいの部屋の話し声はもちろん、いびきやオナラまではっきりと聞こえてきます。
まあ、これはこれで雰囲気あってよいのですが、気になってまったく眠れませんでした。
食事は地元の名産、鯉や川魚、山菜、自家製のお蕎麦等、量も味も満足いくものでした。
ただ、私は鯉が苦手なので食べれませんでした。ごめんなさい
お風呂は温泉ではないですが、ちょうどよい温度で、気持ちよかったですよ。
一点、苦言申し上げます。
朝食を下げにきた仲居さんがこうおっしゃります。
「GWで混雑しておりますので、お早目のチェックアウトをお願いします」
既定のチェックアウト時間は10時。
「9時くらいでよろしいですか?」
そう訊ねると気まずそうな表情で、
「もうちょっと早く……」
チェックイン・アウトの時間は予約した際の契約条件でもあり、それに相当する料金をこちらは支払っているはず。
ならばその対価として何らかのサービスなり割引があってもいいはずでは?
ただ早く帰れというのは納得できなかったです。
私の実家も同業でした。
けれど、盆暮れ正月GW、どんなに混雑していようと、お客様に「早く帰れ」などとは、一度も言ったことはございません。
とても素敵な旅館で、文化的・芸術的な面からも、貴重な日本の財産といっていい建造物でした。
それだけに残念です。
- 2018.09.26 Wednesday
- 旅(長野県佐久)2015
- 22:22
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- by Rucoco